5年後の貸借対照表を作ってみよう! 第6回 〜納税の意識は、利益の速度をガラッと変える〜

皆さま、こんにちは!NICE ONの四ケ所です。


昨日のブログでは、日々の取引だけではなく、月末(期末)特有の処理を行わないと、利益が正しく表示されないことをお伝えしました。


昨日のブログは、こちらです。
5年後の貸借対照表を作ってみよう! 第5回 〜月末処理(期末処理)をしていなければ、ウソの利益になっている〜


あまり複雑になるといけないと思い、昨日は触れませんでしたが、他にも、売掛金や買掛金、未払費用などを計上して、より【正しい利益】を計算するのが一般的です。


つまり、これまでお伝えしてきた【現金主義】の貸借対照表ではなく、【発生主義】にて貸借対照表を作るということなのですが、それはまた、別の機会にご説明したいと思います。


それでは、今日のブログです。



納税の意識は、利益の速度をガラッと変える

もう、15年以上前のお話です。


私が、税理士事務所に勤めていたとき、ある代理店で、九州No.2の売上の会社がありました。


その会社の社長が、口癖のように仰っていたのが、【税金を払うくらいなら、社員に賞与を払う】でした。



私は、この会社の担当をさせて頂いてましたので、その社長が、有言実行なさっていたことを知っています。


つまり、決算日が近づいてくると、とにかく、利益を減らすことに取り組まれるのです。


そんなある日、社長から、【自社ビルを建てたい】というご相談がありました。


その内容は、自社ビルの建設予算、返済計画、そのあとの預金残高や利益予想など、数字に関わるものが多かったです。


そのときに、1番頭を悩ませたのが、銀行さんからの借り入れでした。


社長が想い描く自社ビルの予算を、賄えるほどの借り入れが出来なかったのです。


ここで、社長も私も思い知ることになりました。


貸借対照表を強くする(お金の入り口の2つめを強くする)ことが、どれだけ重要なことか分かっていませんでした。


お金の入り口につきましては、下記のブログに書いております。
お金の入り口は少なくとも4つある! 〜売上以外の3つとは何か?〜


そこで、その社長に、【自社ビルを諦めるか、納税をするか】、どちらかをハッキリと決めて、経営計画を作りましょうとご提案させて頂きました。


社長の意思決定は、【納税をする】でした。


私は、それから3年、【納税をすることを当たり前】と考える社長がたたき出す【利益の速度】を味あわさせて頂きました。


最初から、4千万円から5千万円の法人税を支払うつもりで経営をしているので、ブレーキがかからないんです。


社長は、節税に思考を巡らす必要がありませんので、【儲かる】ことに集中できたと仰っていました。


結果的には、3年後に自社ビルの建築が始まりましたが、銀行さんからは、借り入れの必要がないような状態でした。


こうなると・・・


銀行さんの方から、全額うちで融資をさせてくれと言ってくるんですね。


この変わりように、社長は、何とも言えない表情をなさっていました。



納税予想を貸借対照表に表しておく

この経験をする前の私は、納税をいかに安く出来るかが、お客さまのためだと思い、仕事をしていました。


しかし、それは、時と場合によることが分かりました。


【納税に対する意識】が変わったのです。


もう、お分かりですね。


昨日のブログの貸借対照表に足りなかったのは、納税金額の計上です。


それでは、昨日の最後の貸借対照表を確認してみましょう。





確かに、税金をいくら支払うのか、その予想ができていませんよね。


かりに、利益の40%を税金として納めなければならないとします。


すると、20万円の当期利益がありますので、20万円×40%=8万円が税金になります。


このときの貸借対照表は、どうなりますでしょうか?


ちょっと難しい問題ですね!


どのように考えれば良いかというと、税金の計算はしましたが、【未払い】ですよね。


つまり、未払法人税という科目を使います。


この科目は、資産・負債・資本のうち、どれに該当するでしょうか?


これが分かると、記載することができるようになります。


答えは、負債です。


ということで、正解の貸借対照表は、下のようなカタチになります。





毎月、毎月、法人税・所得税・消費税などを意識なさって下さいね。


払わなければならないものは、払わなければならないのです。


その準備を怠らないように、納税預金をなさって下さいね!


私もそうでしたが、意外と、【自社のお金ではないもの】が多いことに気がつかれるかもしれません。


もし、【自社のお金ではないお金】を使って、経営をして(回して)いたならば、まずは、そこに向き合いましょう。


そして、これからどうしたいのかを、しっかりと決めましょう。


来年ではなく、【5年後にどうしたいか】を決めるのです。


そう簡単には、お金の問題は解決しません。


でも、5年あれば、確実に変えられます。


さらに言えば、10年あれば、理想とまではいかなくても、会社を作り替えられます。


皆さまも、取り組んでみられませんか?


5年後に、会社に何を残すのか?


その想いが数字になったものが、5年後の貸借対照表ですよ!


ぜひ、チャレンジなさって下さいね!


今回もまた、ブログ筋トレ中の文章を最後まで読んで頂き、誠にありがとうございました。


今後とも、どうぞ宜しくお願いします。


ブログ筋トレVol.280

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    ABOUTこの記事をかいた人

    四ケ所 秀樹(しかしょ・ひでき)
    NICE ON株式会社(ナイスオン) 代表取締役。

    「粗利最大化」と「粗利最速化」を信条に、1年後の利益幅を最大97.5倍にした他、直近では、300万円の利益だった企業の教育を担い、4年間で7,000万円の利益にまで引き上げた実績を持つ。

    MG開発者の(株)西研究所西順一郎氏、そして、(株)ソフトパワー研究所清水信博氏に師事し、企業の健康を司る【氣(社風)・血(お金)・水(業務フロー)】に関する社内研修を展開している。

    【これから100年を志す企業を、絶対に守り切る土台づくり】を使命とし、赤字スパイラルから黒字スパイラルへの思考のシフト、全体最適思考の経営を指導している。

    1974年佐賀生まれ。関西学院大学法学部卒。

    保有資格

    ■西研公認MGインストラクター
    ■SP研公認最上級TOCインストラクター(日本第1号資格取得者)
    ■STR認定コミュニケーションマスター(世界第1号資格取得者)
    ■TOC‐ICO国際認定 思考プロセスジョナ登録