皆さま、こんにちは!NICE ONの四ケ所です。
昨日は、今年の8月に、大分県にある建築業の会社を事業承継することが決まっているUさんが、NICE ONに勉強しに来られました。
この勉強会は、Uさんの事業承継のための準備として、【経営】と【数字】を学ぶように現社長から指示され、【数字】の担当として、私を選んで下さったのがキッカケでした。
私は、【数字】の担当として、Uさんに何をお伝えするかを真剣に考えました。
そして、色々と考えた末に、今年の8月までに身につけて頂こうと思ったのが、5年後のバランスシート(貸借対照表)を作ることが出来る能力でした。
具体的には、【5年後の会社に何を残したいのか?】を決めて、【その残したもので、どういったビジョンを達成していくのか?】について、数字に置き換えていくことができる能力です。
経営者は、絶えず【遠くを計る】わけですが、【5年後に立てた旗に向かって全速前進をする前】に、数字上ではどうなるのかについて、その結果を【自分で作る】ことが出来ないと、社員さんを路頭に迷わせてしまいます。
【野望】という強い想いと、【数字】という羅針盤が揃っているからこそ、この変化の激しい時代を、沈没することなく乗り越えていけるのではないでしょうか。
その航海に出る直前のUさんが、毎月1回、愚直に訪ねてこられるので、私自身としても身が引き締まる思いでしたし、責任重大だと感じておりました。
残すは、あと2ヶ月。
自信を持って出航なさって下さい!
そう言い切れるように、やれることは全て、やり切りたいと思います。
数字は逃げない。逃げるのはいつも自分
Uさんが来社されたあとは、必ず数字のことを考えてしまいます。
それくらい、【経営】と【会計】は切り離して考えることはできません。
なぜなら、経営をする限り、必ず、決算書を作ってその結果を報告しなければなりません。
そして、この決算書は、会計によって出来ています。
つまり、経営者の意思決定は、その結果を作る会計と連動しているのです。
しかしながら、会計が得意ではなく、他人に任せているという方が、少なからずいらっしゃると思います。
実際に、私が税理士事務所に務めていた13年間や、 MG(マネジメントゲーム)のインストラクターとしての10年間で、【会計(数字)は苦手】と仰る経営者の方と、 数多く出会ってきました。
ただし・・
苦手とは言え、【勉強しなくても良い】と思っていらっしゃるかというと、そうではないようでした。
それが証拠に、本屋さんに行くと、決算書に関するコーナーは必ず設けてありますよね。
そして、毎年毎年、決算書に関する何かしらの本が出版されているところをみると、多くの経営者の皆さまが、【数字が読めるようになりたい】という想いを持ち続けていらっしゃるのではないかと思うのです。
では、なぜ、会計の勉強に関して 途中で挫折してしまう方が多いのでしょうか?
それは、ずばり!
会計の勉強が面白くないんです。
そう言ってしまえば、元も子もありませんが、確かに【人が作った数字】で勉強するというのは、本当に面白くありません。
なぜなら、【人が作った】数字だから、数字とのコミュニケーションが取れないのです。
もっと言えば、ストーリーがないんです。
この数字は、いったい私に何を伝えようとしているのか?
この数字は、何に気付かせようとしてくれているのか?
私たちの会社の数字であれば、数字が直接的に語ってくれることはありませんが、数字を見て、その奥に隠された行動やストーリーを思い描くことは出来ます。
そして、【現実と理想の差額(予実差)】を指し示してくれます。
だからこそ、その差額を埋めるためのストーリーを、【数字で考える】ことが出来るようになるのです。
佐賀市で、レディースのアパレルショップを営むMオーナーが、私にこう仰ったことがありました。
【数字は逃げない。逃げるのはいつも自分】
では、逃げずに勉強するためには、どうしたら良いのでしょうか?
私は、本で学ぶ前に、【自分の数字(自社の数字)】に、とことん興味・関心をもち、本氣で向き合ってみることしかないと思っています。
本氣で、会社の決算書を良くする!
このときが、会計を学ぶ絶好の機会ではないでしょうか。
経営者自らが会計を理解しないと、真の経営は出来ない
京セラの稲盛和夫氏は、その著書の中で、このように語られています。
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会計というものは、経営の結果をあとから追いかけるためだけのものであってはならない。
いかに正確な決算処理がなされたとしても、遅すぎては何の手も打てなくなる。
会計データは、現在の経営状態をシンプルに、またリアルタイムで伝えるものでなければ、経営者にとっては何の意味も無いのである。
そのためには、経営者自身がまず、会計というものをよく理解しなければならない。
計器盤に表示される数字の意味するところを、手に取るように理解できるようにならなければ、本当の経営者とは言えない。
経理が準備する決算書を見て、例えば、伸び悩む収益のうめき声や、やせた自己資本が泣いている声を、聞き取れる経営者にならなければならないのである。
月次決算書などの決算資料は、経理が一般的な形でつくるのかもしれない。
しかし、それでは本当に経営に役立つものにはならない。
経営者が、まさに自分で会社を経営しようとするなら、そのために必要な会計資料を、経営に役立つようなものにしなければならない。
それができるようになるためにも、経営者自身が会計を十分よく理解し、決算書を、経営の状況、問題点が浮き彫りになるものにしなければならない。
経営者が会計を十分理解し、日頃から経理を指導するくらい努力してはじめて、経営者は、真の経営を行うことができるのである。
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稲盛和夫の実学〜経営と会計〜 序章 私の会計学の思想より抜粋
如何でしょうか?
では、会計が分かる人が大経営者になるのか?
実は、そうではありません。
数字が分かるから、経営が出来るわけではないのです。
経営には、何としても達成したい【想い】、つまり、圧倒的ビジョンが必要不可欠です。
そして、その圧倒的ビジョンに到達するために描くストーリーは、決められた道路の上を走るようなものではありません。
どちらかと言えば、前述のUさんの話ではありませんが、航海に近いのではないでしょうか。
【想い】が先で、【数字】が後
【会計(数字)】とは、その航海を助ける【羅針盤】です。
つまり、会計(数字)は【サポートする側】であって、【想い】の先に来るものではありません。
なので、例え羅針盤が東を指していたとしても、どうしても西に進路を取りたいときは、西に向かうべきなのです。
いや、経営者なら向かって欲しい!
ただ、大切なことは、【羅針盤が東を指している】ことを分かったうえで向かって頂きたいのです。
沈没する前に、絶対に引き返せるように・・
皆さまにお伝えしたいのは、会計(数字)というのは、自分の武器にさえすれば、いつも側に居てくれる、とっても心強い存在だということです。
決して、数字が全てではありません。
羅針盤を持たなくても、勘と経験と度胸(西順一郎先生は、これをKKDと仰っています)があれば、航海に出ることは出来ます。
そして西先生ご自身も、経営者の資質の8割はKKDだと仰っていますし、ある程度の荒波は、乗り越えていくことが出来るでしょう。
しかし、残りの2割をサポートしてくれる羅針盤を、持っていくことが出来るとしたら・・
未来を照らしてくれる、ヘッドライトの役割を果たしてくれるとしたら・・
きっと、受けなくてもいい荒波なら避けながら、目的地にたどり着けると思いますが、如何でしょうか?
2043年に何を実現しているか
冒頭のUさんには、今、数字からいったん離れ、仕事を通して何を実現し、どういう風に社会に貢献していくのか、そのイメージを鮮明にして頂いています。
2043年、2039年、2029年、2023年。
なぜ、このような西暦になるのかは、また改めてブログで書いてみたいと思いますが、特に、2023年に関しては、鮮明なイメージを膨らませて頂いてます。
ただ、2023年をイメージするためには、その20年後の2043年が必要なわけです。
Uさんには、6月までに、そのイメージを言葉にするようにお伝え致しました。
どんなものが仕上がってくるのか、今から、とっても楽しみです。
写真を出してしまったので、Uさんと書く必要があるのかどうか・・w
Uさんとの約2年にわたる勉強会を、もっと分かりやすく体系化して、8月以降から、勉強会を開催しようと思っております。
その名も、これから10年を突破する会社の作り方(仮称)です。
2020年4月18日 追記
その予定でしたが、私の学びが追いつかず、出来ないままになってしまいました。
しかし、学びは続けてきましたので、その内容を体系化するところまでは仕上がってきました。
そして、勉強会の名前は、素心塾です。
もう少ししたら、開催出来る見込みです!
以上、追記終わり
起業家支援の取り組みになると思いますが、また改めて、お知らせさせて頂きますね。
今回もまた、ブログ筋トレ中の文章を最後まで読んで頂き、本当にありがとうございました。
今後とも、どうぞ宜しくお願いします。
ブログ筋トレVol.40
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