皆さま、こんにちは!NICE ONの四ケ所です。
昨日のブログでは、緊急事態であればあるほど、現金主義にて利益を出すための意思決定をお勧め致しました。
昨日のブログは、こちらです。
現金主義決算のすすめ 〜今のような状況の時(緊急事態)は、現金主義決算で利益を出す方法を考えましょう!〜
何としてもお金を生み出すか・・
今あるお金で耐え凌ぐか・・
兎にも角にも、知恵を出し合い、工夫しましょう!
そのためには、【前向き】であることが大切です。
拘るのであれば、徹底的に【未来】に拘りましょう!
それでは、今日のブログです。
適切な借入返済の総額とは?
経営者の方にご質問です。
皆さまの会社の借入金は、多いでしょうか?
適切でしょうか?
それとも、少ないでしょうか?
また、何を基準に、そう言えるのでしょうか?
経営者の皆さま、如何でしょうか?
考えることができましたでしょうか?
今日は、その借入金に関する1つの考え方を書かせて頂きますので、皆さまの会社の決算書にて、ぜひ計算をしてみて下さいね。
まず、銀行から借り入れをすると、そのお金は頂いたわけではないですので、必ず、期限までに返済する必要があります。
そして、毎月の返済の時には、元金(がんきん)だけではなく、計算された利息も合わせて、銀行口座から引き落とされます。
ここで、会計上の話をするのであれば、その利息は、固定費として経費計上しますが、元金は、借入金が減るだけですから、経費にはなりません。
では、皆さまの会社が【1年間で返済できる元金の総額】は、どのように計算すればいいでしょうか?
それは、次の式で求められます。
税引後当期利益(法人税を支払ったあとの利益)+減価償却費
さぁ、決算書を取り出して、その数字を探してみて下さい。
まずは、【損益計算書】の1番下の方に、税引後当期利益(当期利益、当期純利益など)の額が書かれているはずです。
次に、減価償却費ですが、【販売費及び一般管理費明細書】に書いてあると思いますので、探してみて下さい。
*建設業や製造業は、工事原価報告書、製造原価報告書にも減価償却費があります。
そして、その2つの数字を足してみて下さい。
その数字が、【1年間で返済できる元金の総額】の1つの目安になります。
例えば、税引後当期利益が300万円、減価償却費が200万円だとすると、合計した500万円が、元金返済の総額の1つの目安になるのです。
これを、月の返済額にすると、500万÷12ヶ月ですから、41万円になりますね。
つまり、41万円よりも毎月の返済額が大きい場合は、300万円の税引後当期利益が出ていたとしても、会社のお金は返済に消えていきますので、再び借りなければいけない日が必ずきます。
また、41万円よりも毎月の返済額が少ない場合は、借入金の返済をしながらも、会社のお金は増えていきます。
皆さまの会社は、如何でしたでしょうか?
返済をし続けても、お金が増える経営でしたでしょうか?
ちなみにですが、税引後当期利益+減価償却費がマイナスになる企業は、返済原資がないと判断されてしまいますので、一刻も早く、この数字がプラスになるように事業計画をたて、その計画通りに進めていく必要がありますね。
以上が、返済額に関する1つの考え方です。
適切な借入金総額の考え方とは?
次に、借入金の総額について書いてみたいと思います。
今回も、税引後当期利益が300万円、減価償却費が200万円という会社で考えてみましょう。
先ほども書きましたが、300万円+200万円=500万円ですので、1年間の返済原資は、500万円ということになります。
そして、この500万円と返済期間を掛け合わせて、適切な借入金の総額を導き出すのです。
例えば、5年返済であれば、500万円×5年=2,500万円が適切な借入額ということになります。
逆にいうと、3,500万円の融資をお願いしたいのであれば、500万円×7年=3,500万円ですから、7年返済という希望を出すということです。
お!この経営者は、きちんと計算しているな!って思って頂けそうでしょ!
そういう【見られ方】も大切です。
また、場合によっては、設備投資のための借入もありますよね。
このときは、減価償却費の額が変わりますので、購入予定の設備を税理士さんにお伝えして、減価償却費の額をすぐに調べて頂きましょう。
例えば、その減価償却費の額が、年間で800万円だったとします。
そして、この設備を導入することで、税引後当期利益が500万円になるという事業計画を立てたとします。
すると、500万円+800万円=1,300万円が、返済可能な1年間の元金総額になりますよね。
ということは、5年返済であれば1,300万円×5年=6,500万円、7年返済であれば9,100万円、10年返済であれば1億3千万円までが、借入総額の目安となるわけです。
如何でしょうか?
皆さまの会社は、1年間の返済原資だけでなく、借入金の総額もまた、適切な額の範囲内でしたでしょうか?
もし、収まっていなかったとするならば、何年後かには、その範囲内になるように事業計画を立てるのも良いですね。
ただ、新型コロナウイルスの影響を考えると、今は、緊急事態ですので、上記を1つの目安としながらも、借りられるだけ借りておくという考え方もあると思います。
借りられるだけ借りて良いのか?
私としては、今という【緊急事態において】は、【借りられるだけ借りた方が良い】と考えています。
今日のブログに書いてきた、1つの目安となる数字を大幅に超えたとしても・・です。
ただし、少なくとも事業計画を3つ作り、計画的な経営をすることができるのであれば・・という条件付きです。
借りられるだけ借りることができたので、これで1年間は大丈夫・・という経営者は、私の単なる直感ですが、借りたお金を全額使い果たしてしまいそうな気がします。
それだと、せっかく新型コロナウイルスの影響が終息したにも関わらず、借入金の返済ができなくて・・・ということになりかねません。
まさに、本末転倒です。
だから、借りられるだけ借りるための絶対条件が、3つの事業計画を作って、素直に実行することなのです。
1つは、今年の7月から回復に向かうパターン(3ヶ月間を耐える)。
2つめは、10月から回復に向かうパターン(半年間を耐える)。
3つめは、来年の4月から回復に向かうパターン(1年間を耐える)。
この3つのパターンを想定するのは、それぞれにおける必要な借入の額を知るためですので、必ず計算をして下さいね。
もちろんですが、最も借入の額が大きくなるのは3つめのパターンです。
この場合は、返済が始まるまでに、変遷する時代とお客さまのニーズを見極めて、何がなんでも会社を作り変えていかなければなりません。
それが、来年の4月からに船出に繋がりますし、それが、経営というものだと思います。
それでは、融資を受けたあとのお話に入りますね。
ここでは、3つめのパターンで計算した額を借りることができたとして、お話を進めていきます。
*実際に、それよりも多くの額を借りることができたとしたら、必ず、万が一に備えて使わないで下さいね。
1つめのパターンは、【今】必要な資金以外は、すべて、使わずにとっておきましょう。
2つめのパターンも、【半年】を耐えるための資金以外には、絶対に手をつけないことが大切です。
ただ、3つめのパターンのときは、今回の、特別融資の額を全て使い切ることになると思います。
そして、ここからが重要です。
絶対条件に掲げさせて頂いた事業計画とは、この3パターンそれぞれの、返済計画を立てることなのです。
ぜひ、その時は、今日のブログの最初のトピックである【適切な借入返済の総額】を参考になさって下さい。
状況が回復してきたからといって、今まで、100万円の利益だった会社を、すぐに、1,000万円の利益を出す会社にすることは難しいです。
冷静に状況を見極める必要があります。
毎月いくらならば、返済が可能でしょうか?
毎月、いくらまでの返済が可能な会社に成長しますでしょうか?
その金額を計算することができれば、借りるだけ借りたとしても、何年の返済期間が必要かが分かりますよね。
話が長くなってしまいましたので、少し、まとめますね。
状況が回復するまでの期間を3つに分けたとすると、それぞれ、必要な借入額はいくらなのか?
また、回復後の返済計画はどうなるのか?
その上で、どれだけの融資を受けることができるのか?
融資を受けたあとは、どんな経営に変えていかなければならないのか?
少なくとも、これくらいのことは考えなければなりません。
そして、どういう意思決定をしたとしても、私たちには、アフターコロナの世界が待っています。
その世界においては、どんな理想を掲げることもできますが、例えば、100万円×10年=1,000万円という計算結果を、他に変えることはできません。
つまり、100万円×10年=1億円という世界は、現実には存在しないということです。
だからこそ、頭で描いたことを、数字に置き換えて頂きたいのです。
できないと思っていたことが、実は、できることだったり。
逆に、
できると思っていたことが、そもそも成り立たない数字だったということもあるのです。
ぜひ、借りても返せないから・・と嘆く前に、借りたらどうなるのか?を数字にしましょう。
何通りも書いて、実現可能な計画を見つけ出しましょう。
そして、その計画が見つかったら、仲間に伝えてあげてください!
仲間の前向きな姿勢は、きっと、その人の勇気に繋がりますから。
家族を護り
社員さんを護り
会社を護る
それが、お客さまを護り
日本を護ることに繋がります。
私たち経営者は、それを自ら選択しました。
ぜひ、みんなで力を合わせ、支え合っていきましょう!
今回もまた、ブログ筋トレ中の文章を最後まで読んで頂きまして、誠にありがとうございました。
今後とも、どうぞ宜しくお願いします。
ブログ筋トレVol.371-2
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