現金主義決算のすすめ 〜今のような状況の時(緊急事態)は、現金主義決算で利益を出す方法を考えましょう!〜

皆さま、こんにちは!NICE ONの四ケ所です。


昨日のブログでは、ひと月に100万円の固定費を支払うための、【数字の考え方】についてお話しをさせて頂きました。


昨日のブログは、こちらです。
500円のお弁当を何個売れば、月100万円の経費が支払えるか?


新型コロナウイルスの影響を、何とか乗り切ろうとなさっている経営者の皆さまに対して、私ができることは何か・・


そう考えたときに、パッと思ったことが、Facebookでよく目にしていたテイクアウトのお弁当を題材に、【数字の考え方】を通してお役立ちさせて頂くことでした。


この記事を読んで下さった経営者の皆さまが、ご自身のFacebookにてシェアをして下さいましたので、普段の4倍の数の皆さまに目を通して頂いたようです。


この記事が、少しでもお役に立つことができていれば、こんなに嬉しいことはありません。


どうか、必要な方に届きますように・・・。


それでは、今日のブログです。



発生主義決算とは・・

法人であれ個人事業であれ、確定した決算書をもとに税金を計算し、その納付期限までに納税をしなければなりません。


その決算書の作り方には、発生主義と現金主義があります。


発生主義とは、文字通り、お金が動くかどうかは一切関係がなく、取り引きが発生したかどうかによって、決算書を作っていきます。


例えば、お客さまに商品を販売したのですが、その代金は、翌月末に一括で受け取るとしますよね。


また、取引先から商品を仕入れたのですが、その代金は、翌月末に一括で支払うとしますよね。


これらの時に、次のような仕訳をしていたとしたら、それは、発生主義になります。


売掛金  〇〇円/ 売上   〇〇円
仕入   〇〇円/ 買掛金  〇〇円


もっと簡単に言うと・・


決算書をご覧になって頂き、売掛金・買掛金・未払費用のような科目があれば、それは、発生主義にて決算書が作られています。


原則的には、この発生主義によって、皆さまの決算書が作られていると思って間違いありません。



現金主義決算とは・・

ただ、今日は、発生主義の決算書について、何かをお伝えしたいのではありません。


現金主義決算のお話をさせて頂きたいのです。


先ほど、販売と仕入れについて、それぞれの仕訳を書かせて頂きました。


しかし、現金主義であれば、まだ、仕訳を書くことができません。


なぜなら、翌月末にならないと、お金を受け取ることも、支払うこともないからです。


つまり、現金主義で仕訳をするならば、お金が動いたときに、次のようになります。


現金  〇〇円/ 売上  〇〇円
仕入  〇〇円/ 現金  〇〇円


今は、信用取引が大前提となっていますので、確かに、発生主義を採用しないと、正しい利益を計算することができません。
*信用取引:その場で、お金のやりとりをしない。


ただ、正しい利益って、誰にとっての利益なのでしょうか?


利益を出して(黒字)いたにも関わらず、倒産することだってあるのです。
*いわゆる、黒字倒産。


つまり、経営者が儲かったと思うときって、通帳のお金が、どんどん増えていっているときではないでしょうか?






今のような状況の時は、現金主義決算で利益を出す方法を考えよう!

今、新型コロナウイルスの影響により、悩み、苦しんでいる方が数多くいらっしゃいます。


国や銀行から、どれくらいの支援をが受けられるのか・・・を、日々計算されている方もいらっしゃると思います。


ただ、NICE ONの公式ブログでは、ひと月で支払わなければいけないお金の総額を計算して下さい!とか、昨日のお弁当のお話とか、この状況を何とか乗り切っていくための考え方について書いてきました。


そして、まだまだ、経営者自らが動けることがあります。


そのヒントになるのが、【現金主義決算で利益を出す!】と考えてみることではないかと思っているのです。


支払いが終わっている在庫(商品)が眠っていませんか?


儲かっている時に、節税のために入った保険がありませんか?


売ってしまうと赤字になるからと、そのままにしている土地がありませんか?


信用取引ではなく、現金取引にできる商品やサービスがありませんか?


例えば、車など、まずは売却をして、必要な時に借りるようにすることはできませんか?


貸借対照表の資産の部に、コロナが終息しても、何の役にも立ちそうにない贅肉がついていませんか?


借入金の返済について、リスケに応じて下さる銀行はありませんか?


3年の中期事業計画などを条件に、融資をして下さる銀行はありませんか?


支払いサイトを伸ばして下さる取引先はありませんか?
*終息したら、すぐに元のサイトに戻しましょう。


経営者の皆さま、如何でしょうか?


工夫をすれば、何とかなりそうな項目はありましたでしょうか?


これらによって得ることができた現金が、ひと月に支払わなければいけない現金の総額を超えるように動くのです。


ひと月に支払う金額については、こちらをご参照下さいませ。
とにかく不安・・という経営者の皆さまへ 〜売上がゼロになったとしても、支払わなくてはいけないお金は、月にいくらですか?〜


ぜひ、1人で考えるのではなく、経営者仲間の皆さまにもご相談なさって下さいね。


また、ここまで検討なされば、税理士さんも銀行さんも、しっかりとお話を聞いて下さいますし、アイディアを出して下さると思います。


【何も分からないので、何とかして下さい!】では、何ともしようがありませんよね。


やはり、経営者としての姿勢・在り方も大切です。


兎にも角にも、何とか、この難局をみんなの力で乗り越えましょう!



アフターコロナの経営について

そして、最後に・・・


アフターコロナに向けてのメッセージです。


借入金のリスケと支払いサイトの延長以外は、【現金が増える黒字企業】の特徴だと思います。


こういった企業の経営者は、長期的にみて、お金がどんどん増えていくようにビジネスを構築していくのです。


つまり、【キャッシュが回る】のではなく、【キャッシュを増やす】という考え方が、意思決定の大前提になっています。


ということは、現金主義で決算をすると、当然ながら黒字になる経営ですよね。


長期的に繁栄をする企業は、危機的状況に陥らないのではなく、ならないように準備しているのです。


それが、お金です。


現金があれば、何度でも浮上できることを考えると、危機的状況であろうがなかろうが、現金主義で考えるというのは、すごく大切なことのように思います。


今は、できることに集中しないといけませんが、コロナウイルスの終息後は、いざという時にも、しっかり応じることができる会社を作っていきましょう!


私も、そういう経営を目指します!


今回もまた、ブログ筋トレ中の文章を最後まで読んで頂きまして、誠にありがとうございました。


今後とも、どうぞ宜しくお願いします。


ブログ筋トレVol.370-2

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    ABOUTこの記事をかいた人

    四ケ所 秀樹(しかしょ・ひでき)
    NICE ON株式会社(ナイスオン) 代表取締役。

    「粗利最大化」と「粗利最速化」を信条に、1年後の利益幅を最大97.5倍にした他、直近では、300万円の利益だった企業の教育を担い、4年間で7,000万円の利益にまで引き上げた実績を持つ。

    MG開発者の(株)西研究所西順一郎氏、そして、(株)ソフトパワー研究所清水信博氏に師事し、企業の健康を司る【氣(社風)・血(お金)・水(業務フロー)】に関する社内研修を展開している。

    【これから100年を志す企業を、絶対に守り切る土台づくり】を使命とし、赤字スパイラルから黒字スパイラルへの思考のシフト、全体最適思考の経営を指導している。

    1974年佐賀生まれ。関西学院大学法学部卒。

    保有資格

    ■西研公認MGインストラクター
    ■SP研公認最上級TOCインストラクター(日本第1号資格取得者)
    ■STR認定コミュニケーションマスター(世界第1号資格取得者)
    ■TOC‐ICO国際認定 思考プロセスジョナ登録