皆さま、こんにちは!NICE ONの四ケ所です。
昨日のブログでは、売価Pが、利益Gに大いなる影響を与えているということをお伝えしました。
昨日のブログは、こちらです。
値決めこそ経営と言われる理由 〜10%値上げすることが出来たら、利益は何%アップするのか〜
自社の商品やサービスを、お客様に対していくらで販売するのか・・?
例えば、日常で使う石鹸1つでも、100円のものから、1万円を超えるものまであります。
100円のものは、なぜ100円なのでしょうか?
1万円のものは、なぜ1万円なのでしょうか?
売り手側は、原価に関係なく売価を設定することが出来ます。
買い手であるお客さまが、買って下さるかどうか。
お互いにとって、Win-Winであるかどうか。
この2つがポイントですから、自社の商品やサービスを見直してみて下さいね。
安売りしすぎているものが、見つかるかもしれません。
原価計算には2種類あると知ったときの衝撃・・ 〜税務署(税理士)用と経営(者)用〜
私は、1998年4月から、父が経営する税理士事務所にて勤務し始めました。
同時に、税理士試験に合格するために、専門学校にも通っていました。
なので、仕事でもプライベートでも【会計】漬けの日々でした。
そして、2006年8月22日。
私は、義理の弟と共に、長崎県の佐世保にて、マネジメントゲーム研修に参加しました。
その研修は10時に開始されたのですが、開始たったの1時間後、衝撃の言葉がインストラクターの口から発せられました。
決算書には、2種類あります。
経営者用と税務署用です。
その当時の私は、税理士である岡本吏郎先生の本から、たくさんのことを学んでいました。
その中で、この本のタイトルだけは、今でもハッキリと覚えています。
それは、【裏帳簿のススメ】という本です。
なので、インストラクターの口から【経営者用と税務署用の決算書】があると聞かされたときには、【へ?!裏帳簿を学ぶの?】と、思ってしまいました。
もちろん、裏帳簿ではなかったわけですが、本当に驚きました。
では、経営者用と税務署用の決算書は、何が違ったかというと、原価計算の方法でした。
つまり、正確には、決算書が2種類あるというより、【原価計算には2種類ある】ということだったのです。
ただ・・
最初は、ピンと来ませんでした。
なぜなら、税理士試験の科目の中に【簿記論】があるのですが、その中では勉強したことがない【原価計算】だったからです。
その原価計算とは、【直接原価計算(ダイレクトコスト)】というものでした。
そして、私が日常的に使い、学んでいた原価計算とは、【全部原価計算(フルコスト)】だと教わりました。
私は、【経営】を学ぼうと思い、マネジメントゲーム研修に参加したわけですが、まさか、会計を学ぶことになろうとは・・
しかも、その会計に、経営者用があるなんて・・
この日から、私の学びは、大きく方向転換されることになりました。
J.N.Harrisによって提唱された直接原価計算
1936年、J.N.Harrisという人が、【わが社は先月いくら儲けたか?(What Did We Earn Last Month?)】という論文を公表しました。
この論文によって、初めて、直接原価計算は公の場に具体的に取り上げられることになりました。
今から、約80年前のことですから、会計の歴史を考えると、新しい考え方になるのかなと思います。
今日は、皆さまに、この論文の中に描かれている【社長と経理】のお話を、ご紹介させて頂きます。
なぜなら、この会話は、【なぜ直接原価計算が提唱されるに至ったか?】について、経営者側の想いを代弁していると思うからです。
社長「このなまず野郎め!先月と比較して売上は10万ドル以上も増加しているのに、利益は2万ドルも減少していると説明するつもりかね。」
経理「その通りです。Mr.Stone。」
社長「Rowe、お前は気が狂ったのではないか。気が狂ったのでなければ、お前の混乱した会計制度は黒色火薬ほどの価値もないものだ。売上高の増加によって、少なくとも3万ドルは利益が増加すべきはずなのに、それにもかかわらず2万ドルの減少を示すということは、どういう理由なのかね。私は売価の切り下げをしていないことを承知している。そして、この月次損益計算書は、販売量がまともな額であることも知っている。」
経理「全くその通りです。しかし、10月には、我々は売上高のほぼ半分しか生産しなかったのです。その結果、不足配賦工場間接費が、増加した総差益を食い尽くし、さらにそれ以上のものを食い尽くしてしまいました。」
社長「ところで私がここで言えることは、そのような結果を計算するのなら、君の標準原価計算制度はまったく間違ったものだ。とにかく、なぜ我々は不足配賦間接費を認めなければならないのかね。」
経理「健全な会計実務は、正規なこととしてそれを認めています。それは規則通りであり、それについてはまったく誤りはありません。」
社長「それなら、健全な会計実務も規則も葬ってしまいたまえ。私は、売上高が増加したときに利益の増加を示す損益計算書がほしいので、生産がどれだけであるか、ということはどうでもいいんだ。私はこのような比較表を取締役達に説明するのはもう飽きた。」
経理「それでは社長は、画面から不足配賦工場間接費を取り除こうというのですか。」
社長「私は君が不足配賦工場間接費をどのようにしようとも気にしない。しかし、売上高が増加した時には利益の増加を示し、売上高が下落した時には利益の下落を示す損益計算書を私にくれたまえ!そうすれば私は多くの苦痛から救われるだろう。」
簡単に言うと、【生産しなかったから赤字】だと、経理は言っているのです。
そして、それが【規則通り】だと説明しているのです。
それに対して、社長は、生産の量ではなく、【売れたら黒字、売れなかった赤字になるんじゃないの?】と、経理に質問しています。
如何でしょうか?
どちらかに違和感がありますでしょうか?
私は、税理士事務所に勤務しておりましたので、経理が説明している内容が、すんなり入ってきました。
同時に、社長の話に対して、【ごもっとも!】と思いました。
また、この会話と同じようなことを、稲盛和夫氏も【稲盛和夫の実学 経営と会計】の中で仰っています。
分かったような、分からないような・・
ただ、2006年8月に、マネジメントゲーム研修を受けるまでに感じていた【経営者との感覚の違い】が、ここにあるのではないか・・
そう思いました。
結論から言うと、その通りでした。
明日から、この原価計算について書いていこうと思います。
ようやく、成功事例の入り口まで辿り着きました。
今回もまた、ブログ筋トレ中の文章を最後まで読んで頂き、誠にありがとうございました。
今後とも、どうぞ宜しくお願いします。
ブログ筋トレVol.245
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