値上げの効果は絶大! 〜あるパン屋さんの物語 連載第3回〜

皆さま、こんにちは!NICE ONの四ケ所です。


今日も、あるパン屋さんのお話です。


昨日は、300万円の赤字を解消するためには、1日何個、販売数量を増やせば良いのか、MQ会計にて計算をしてみました。


その結果、1日40個だと分かり、社長が自ら営業に出て、業務用パンの卸先を決めてきたことをお伝え致しました。


昨日のブログは、こちらです。
具体的にイメージできるまで細分化! 〜あるパン屋さんの物語 連載第2回〜


今日は、販売数量ではなく、売価であるPの【値上げ】に着目したお話になります。



値上げの効果は絶大ですから、ぜひ、読み進めて頂けると嬉しいです。



300万円の赤字を解消するためには、いくら値上げすれば良いのか?

まずは、パンの材料である小麦粉の値段が、3割上がったときのMQ会計表をご覧下さい。





昨日のブログでは、この300万円の赤字を解消するためには、今まで32万個だった販売数量が、何個に増えれば良いかを計算したわけです。


そして、今日は、販売数量を変化させるのではなく、409円のP(売価)を、いくらに値上げすれば、G(利益)がゼロになるかを計算してみたいと思います。


G(利益)がゼロになるということは、その左側にあるMQ(粗利総額)が、8,600万円から8,900万円にならなければなりません。


では、8,900万円のMQ(粗利総額)を、32万個の販売数量で割ってみましょう。


すると、278円という数字になりますよね。


それが、1品あたりから【得なければならないM(粗利)】です。


つまり、その278円のM(粗利)と142円のV(変動単価)を足した、420円が、新しいP(売価)になるのです。


これを、MQ会計表のカタチにすると、下のようになります。





この図から分かることは、V(変動単価)が30%アップしたとしても、P(売価)は、11円の値上げでOKということです。


パーセンテージにすると、2.7%です。


なので、これを見た社長は、全部のパンを値上げするのではなく、【値上げして作りたいパン】だけをピックアップして、10円〜30円の値上げをすることを決めました。


この10〜30円というのが大事なのです。


5%アップとか、10%アップと言われるとドキッとしますが、10〜30円ならば・・・と、考えてくれるのが人間です。


不思議なものですよね。


結果的には、1間年後の平均P(売価)は、432円になりました。


そして、このPアップが、利益増大に大きくな影響を与えたことは、言うまでもありません。


逆に、この対策をしていなかったとしたら・・


今考えても、ゾッとします。


値付けこそ経営。


このパン屋さんのおかげで、リアルに体験することができました。


それ以後、プライスにものすごく敏感になりましたので、本当に有り難い体験でした。


さて、このパン屋さんの物語は、これで終わりではありません。


300万円の赤字を解消するために、まだ、Q(販売数量)とP(売価)に着目して戦術を考え、実行したに過ぎません。


次は、F(期間費用・固定費)の出番です。


第4回に続く。


今回もまた、ブログ筋トレ中の文章を最後まで読んで頂き、誠にありがとうございました。


今後とも、どうぞ宜しくお願いします。


ブログ筋トレVol.252

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1 個のコメント

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    ABOUTこの記事をかいた人

    四ケ所 秀樹(しかしょ・ひでき)
    NICE ON株式会社(ナイスオン) 代表取締役。

    「粗利最大化」と「粗利最速化」を信条に、1年後の利益幅を最大97.5倍にした他、直近では、300万円の利益だった企業の教育を担い、4年間で7,000万円の利益にまで引き上げた実績を持つ。

    MG開発者の(株)西研究所西順一郎氏、そして、(株)ソフトパワー研究所清水信博氏に師事し、企業の健康を司る【氣(社風)・血(お金)・水(業務フロー)】に関する社内研修を展開している。

    【これから100年を志す企業を、絶対に守り切る土台づくり】を使命とし、赤字スパイラルから黒字スパイラルへの思考のシフト、全体最適思考の経営を指導している。

    1974年佐賀生まれ。関西学院大学法学部卒。

    保有資格

    ■西研公認MGインストラクター
    ■SP研公認最上級TOCインストラクター(日本第1号資格取得者)
    ■STR認定コミュニケーションマスター(世界第1号資格取得者)
    ■TOC‐ICO国際認定 思考プロセスジョナ登録