皆さま、こんにちは!NICE ONの四ケ所です。
昨日のブログでは、会計の4種類に触れながら、率による経営判断について考えてみました。
昨日のブログは、こちらです。
【率】による経営判断は正しいと言えるのか? 〜管理会計と戦略会計による意思決定の違いとは〜
その中で、管理会計は過去であり、戦略会計は未来であると書かせて頂きました。
また、管理会計による意思決定と、戦略会計による意思決定は、いったい何が違うのかについて、損益分岐点売上高を例に、説明させて頂きました。
率による経営判断は、正しいと言えるのか。
今日から、1つひとつ例に出して、考えてみたいと思います。
それでは、今日のブログです。
粗利率を考える
今日のテーマは、【粗利率による経営判断】です。
粗利率とは、1品あたりの粗利÷売価×100で求められる数字になります。
この粗利率について、カツカレー屋さんのオーナーになったつもりで話を進めたいと思います。
私の店のカツカレーは、1,000円で販売しています。
そして、このカツカレーの材料費は300円なので、1杯の注文から、700円の粗利を受け取ることができます。
先ほどの計算式にて粗利率を計算すると、700÷1,000×100なので、70%になりますね。
私は、何かの勉強会で、この粗利率がとても大事だと聞いたので、この70%という数字よりも悪くならないように、細心の注意を払っていました。
ある時、私の店の近くに、カツカレー屋さんが進出してきました。
何ということを!と思いましたが、私には、そのお店の出店を止める権利はありません。
そのカツカレー屋さんのオープン日、私が食べに行くわけにはいかないので、妻に偵察に行ってもらいました。
味は?
値段は?
雰囲気は?
妻からの情報によると、カツカレーの味はとても美味しく、値段は900円。
そして、店内の雰囲気もよく、リピートする人も多そうとのことでした。
すぐに、何らかの手を打とうかとも思いましたが、2ヶ月くらいは、今のままで様子を見てみることにしました。
2ヶ月後、味は負けているとは思いませんでしたが、お客さまの数が減ってきました。
オープン直後は仕方ないと思いましたが、なかなか、売上が戻ってはきませんでした。
私は、どうしたら良いかを考えました。
そして、100円の値引きをして、900円で販売することを決めました。
ただ・・・
大事な粗利率が悪くなってしまいます。
今まで、1杯700円だった粗利益が、1杯600円に減ることになります。
つまり、600÷900×100なので、その粗利率は67%です。
いや〜、困りました。
皆さまが、このカツカレー屋さんのオーナーであれば、どうなさいますか?
ぜひ、考えてみて下さいね。
【粗利率】による経営判断は、正しいと言えるのか?
私は、粗利率が大事だと聞いていたので、70%から67%に減ることが、怖くてしかたありませんでした。
このままでは、赤字に転落してしまう。
粗利率を70%に戻さなくては・・・
そのためには、300円の材料費を、270円にしなければなりません。
私は、ご飯の量を減らし、豚カツを薄いものに変えることにしました。
よし!
これで、900円で販売したとしても、70%の粗利率は確保できる!
私は、安心してカツカレー作りに没頭しました。
そして、新規のお客さまと共に、常連のお客さまも帰ってきてくれました。
しかし、100円の値引きの影響か、以前よりも売上は落ちてしまいました。
それよりも何よりも、一度は戻ってきてくれた常連のお客さまが、どんどんと離れていきました。
これは、まずい。
そう思った私は、ライバル店よりも100円安く、カツカレーを販売することにしました。
ということは、1杯のカツカレーを240円の材料費で作らなければなりません。
ご飯の量、豚カツの厚さに続き、高騰している野菜を減らすことにしました。
これで、何とか【70%の粗利率】を確保することが出来ました。
如何でしょうか?
これが、【粗利率による経営判断】です。
この考え方を支えているのは、【粗利率が悪くなると赤字になる】という思い込みではないでしょうか?
逆のことも言えますね。
【粗利率が良くなると利益が出る】という考え方です。
ここで皆さまにお伝えさせて頂きたいのは、値下げをすることや、原価を下げることがダメだということではありません。
粗利率に縛られていることに対して、質問させて頂いているのです。
粗利率を守れば、利益は出るのでしょうか?
粗利率が悪化すると、利益は減るのでしょうか?
ぜひ、考えてみて下さいね。
明日も、この続きを書いていきたいと思います!
今回もまた、ブログ筋トレ中の文章を最後まで読んで頂き、誠にありがとうございました。
今後とも、どうぞ宜しくお願いします。
ブログ筋トレVol.297
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