社長の悩みを一発解消! 〜あるパン屋さんの物語 連載第1回〜

皆さま、こんにちは!NICE ONの四ケ所です。


昨日まで、約2週間にわたり、MQ会計と原価計算について書いてきました。


昨日のブログは、こちらです。
製造業は、なぜ、在庫が増えれば増えるほど利益が出るのか?


私たちは、私たちの中にある【考え方】に則ってしか、意思決定をすることができません。


その考え方が、そもそも違っていたとしたら、そこから出る考えは、とても危険なものになってしまいますよね。


全部原価計算FCしか知らなければ、その原価計算に則って意思決定をすることしかできません。


しかし、直接原価計算DCも知っていれば、どちらが良いとか悪いではなくて、選択肢そのものが増えますよね。


だからこそ、大いに学び、その本質を掴んでいがなければなりません。


よし、分かった!(Yes, I know!)


ではなくて、ずっと学び続ける姿勢が大切ですね。


自分自身への戒めとして、ここに、記しておきたいと思います。



材料の値段が3割増し!あなたが経営者なら、どうしますか?

ある日のこと、知人であるパン屋さんの社長から電話がありました。


少しだけ、話を聞いて欲しいんだけど…


その話とは、次のようなものでした。





皆さまなら、どうなさいますか?


私は、まず自分にできることを考えました。


そして、社長に、起きている事実を、【数字で】お伝えしようと思いました。


具体的には、損益計算書を【MQ会計表】にするということです。


下の図をご覧下さい。


こちらが、そのパン屋さんの損益計算書になります。





この損益計算書を、MQ会計表のカタチに変えます。
※直接原価計算(DC、ダイレクトコスト)でなければ、変えることはできません。


変え方は、簡単です。


販売数量Qを把握して、その数字で、1品あたりの売価P、原価V、粗利Mを計算してみましょう。


すると、下の図のようなMQ会計表ができあがります。





では、このMQ会計表を使って、材料費であるVを3割増しにて、利益がどうなるかを計算してみます。





すると、700万円だった黒字が、300万円の赤字になることが分かりました。


さぁ、ここからです。


このMQ会計表から、何を読み取れるかにかかっています。


私はまず、F(期間費用・固定費)に着目しました。


それは、西研究所の西順一郎先生から、Fは、5つに分けるように教わっていたからです。


その分け方とは、下記の通りです。


F1・・・人件費
F2・・・経費
F3・・・金利
F4・・・戦略費
F5・・・減価償却費


ということで、8,900万円のF(期間費用・固定費)を、上記の5つに振り分けてみました。


すると、F5である減価償却費400万円あり、赤字の額を上回っていることに気付きました。


減価償却費とは、現金の支出を伴わない経費です。


ということは、材料費が3割増しになると、確かに300万円の赤字になるのですが、100万円は、お金が増えることが分かったのです!!
※8,600万円のMQ-8,900万円のF=▲300万円(赤字)
 お金が出て行くFは、8,500万円
 8,600万円のMQ-8,500万円のF=100万円(現金はプラス)


このときの感動は、今でもハッキリと覚えています。


社長も、この瞬間から思考がガラッと変わりました。


悩みが消えて、前を向かれたのです。


如何でしょうか?


これが、数字の威力ではないでしょうか?


この物語は、まだまだ続きます。


明日もまた、張り切って書いてみたいと思います。


今回もまた、ブログ筋トレ中の文章を最後まで読んで頂き、誠にありがとうございました。


今後とも、どうぞ宜しくお願い致します。


ブログ筋トレVol.250

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    ABOUTこの記事をかいた人

    四ケ所 秀樹(しかしょ・ひでき)
    NICE ON株式会社(ナイスオン) 代表取締役。

    「粗利最大化」と「粗利最速化」を信条に、1年後の利益幅を最大97.5倍にした他、直近では、300万円の利益だった企業の教育を担い、4年間で7,000万円の利益にまで引き上げた実績を持つ。

    MG開発者の(株)西研究所西順一郎氏、そして、(株)ソフトパワー研究所清水信博氏に師事し、企業の健康を司る【氣(社風)・血(お金)・水(業務フロー)】に関する社内研修を展開している。

    【これから100年を志す企業を、絶対に守り切る土台づくり】を使命とし、赤字スパイラルから黒字スパイラルへの思考のシフト、全体最適思考の経営を指導している。

    1974年佐賀生まれ。関西学院大学法学部卒。

    保有資格

    ■西研公認MGインストラクター
    ■SP研公認最上級TOCインストラクター(日本第1号資格取得者)
    ■STR認定コミュニケーションマスター(世界第1号資格取得者)
    ■TOC‐ICO国際認定 思考プロセスジョナ登録