皆さま、こんにちは!NICE ONの四ケ所です。
昨日は、経営者の数字に対する意識の5段階と、日次決算についてお伝えさせて頂きました。
昨日のブログは、こちらです。
過去を見る月次から、未来を見る日次決算へ 〜あるパン屋さんの物語 連載第5回〜
まずは、数字は苦手・・・と避けるのではなく、苦手だと言えない程の【想い(野望・ビジョン)】を持つことが、すごく大事です。
逆に言えば、何としても実現したい想いがあるのであれば、数字を武器にした方が、その差額を計りながら前に進むことができます。
そして、理想と現実のギャップである問題を、いかに解決しながら理想に向かうのか。
昨日、お伝えさせて頂いた、日次決算の縦軸を達成率にすれば、その進捗を見える化することも可能です。
数字は、皆さまの想いの実現を後押ししてくれます。
ぜひ、数字力を高める訓練をなさって下さいね。
理論値を出す仕組みが会社を良くする
昨日のブログにて、月次決算の数字と、日次決算の数字が、どうしても合わなかったことはお伝え致しました。
実は、合わなかったのは、粗利総額の数字でした。
ここで、粗利総額の数字の出し方について、改めて復習したいと思います。
月次決算の場合は、売上高から、売上原価を差し引いた金額が、粗利総額になります。
そして、売上原価とは、期首商品棚卸高+商品仕入れ−期末商品棚卸高で求めます。
なので、月次決算では、粗利総額の把握のためには、在庫の棚卸をする必要があるのです。
一方で、日次決算の粗利総額は、1品から得られる粗利×販売数量で計算できます。
この粗利総額の数字が、月次と日次で、どうしても合わなかったのです。
社長は、月次決算の原価率の数字が、1つ1つの値付けからすると高い気がすると仰いました。
そこで、西研究所の西先生から教わっていた、会計恒等式(in-out-残)を使うことにしました。
下の図をご覧下さい。
例えば、前日の夜に小銭入れを見ると、10円が入っていたとします。
翌日、お母さんが90円のお小遣いをくれました。
そのお小遣いを合わせて、手持ち現金の中から80円のアイスクリームを買いました。
すると、今夜の小銭入れの残高は、20円になりますよね。
これが、会計恒等式になります。
これを、このパン屋さんで使ってみることにしました。
これで、どのパンの粗利が間違えているのかを、探ろうと思ったわけです。
日次決算をするために、日々の販売データはとり始めましたので、これが、OUTのデータとして使えます。
ということは、INである、何を何個作ったかが分かれば、理論値の在庫数量が計算できます。
すると、粗利総額が合わない原因が絞られてきますよね。
もし、理論値の在庫と実値の在庫数量に乖離があれば、INかOUTに間違いがあることになります。
そして、在庫に間違いがないのであれば、パンの単品データのM(1品から得られる粗利)が間違っていることになります。
会計恒等式とは、恐ろしいものです。
INとOUTが正しければ、理論値としての在庫金額は正しくなるはずです。
しかし、このパン屋さんでは、製造した数量と販売した数量の差額からすると、もっとパンが在庫として残っていないとおかしい・・となりました。
そこで、まずは、作った数量が正しいのかを検証をしました。
そして、正しいことが分かりました。
そうなると、販売が漏れているのか・・、あるいは、パンの持ち出しか・・
それしか、原因が残らないのです。
結論は、パンの持ち出しが起きていました。
その犯人が分かったときの衝撃は、言葉が出ませんでした。
日次決算の精度を高めるために導入した会計恒等式が、このような事態に繋がるとは・・
正直、会計恒等式を導入したことが、このパン屋さんにとって良かったのかどうか、思い悩んだときもありました。
ただ、社長から、これで良かったと言って頂いたとき、すごくホッとしたことを、今でもハッキリと覚えています。
このパン屋さんの事例は、これまで、研修の講義の中ではお伝えしておりましたが、こうやって、ブログに書くことで、私自身の整理になりました。
また、応援のメッセージを数多く頂き、やはり、分かりやすい事例なのだなと改めて思いました。
明日からは、ある石鹸屋さんの事例について、書いてみたいと思います!
今回もまた、ブログ筋トレ中の文章を最後まで読んで頂き、誠にありがとうございました。
今後とも、どうぞ宜しくお願いします。
ブログ筋トレVol.255
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