値決めこそ経営と言われる理由 〜10%値上げすることが出来たら、利益は何%アップするのか〜

皆さま、こんにちは!NICE ONの四ケ所です。

昨日のブログでは、経営者の赤字癖、黒字癖について書きました。

考え方ひとつで、気付かないうちに赤字に向かってしまう・・・

すごく怖いことですよね。

昨日のブログは、こちらです。
あなたは黒字癖?それとも赤字癖?! 〜赤字になる経営者の考え方〜

経営者にとって、赤字癖の経営に気付くことも大切ですが、もう1つ、値決めの重要性に気付くことも大切です。

なので、今日は、値決めについて書いてみたいと思います。

今日もぜひ、最後までお付き合い下さいね。


意外と多い勘違い

皆さまに、質問です。

1,000円で仕入れた商品を、粗利率20%で販売するには、いくらで売れば良いでしょうか?

読み進める前に、少し考えてみて下さいね。

瞬間的に、1,200円。

あるいは、

1,000円の仕入れ値に、20%をかけて計算した200円を上乗せして、1,200円。

そんなふうに思いませんでしたか?

これ、完全なる勘違いです。

下の図をご覧下さい。

1,000円で仕入れた商品を、1,200円で売ったとしても、粗利率は17%にしかなりません。



頭の中で計算した粗利率は、20%なのです。

しかし、結果は17%。

この結果を見た経営者は、この決算書は何かおかしいと言います。

いや、おかしいのは、そもそもの値付けが・・

こうやって赤字に向かうケースもあるんです。

では、正しい値付けはというと、1,250円が正解になります。

下の図の通り、1,250円で売って初めて、粗利率は20%になります。



計算方法は、仕入れ値を原価率で割るだけです。

目標の粗利率が20%ですから、必然的に原価率は80%になります。

今回の場合は、1,000円が仕入れ値でしたから、1,000円÷80%=1,250円と、計算することができます。

昨日か一昨日のブログでも書きましたが、思い込みがありますから、きちんと確認した方が良いと思います。

こういう勘違いって、意外と多いはずですから。


値決めこそ経営と言われる理由 〜10%値上げすることが出来たら、利益は何%アップするのか〜

2つめの質問に移ります。

皆さま、10%値上げすることが出来たら、利益は何%アップしそうですか?

10%の値上げだから、10%のアップでしょうか?

それとも、値決めは大事だって言うくらいですから、20〜30%はアップしそうでしょうか?

こういうときこそ、MQ会計のカタチを覚えておけば、すぐに確認できますね。

それでは、いつもと同じ数字を使って、計算してみましょう。

まずは、下の図をご覧下さい。

これが、現状の数字です。



今まで、30円で売っていたものを、10%値上げして売りますので、33円が売価になりますね。

それが、下の図になります。

これで、準備完了です。



あとは、右側の数字を変更していきましょう。

すると、利益Gは50になりますよね。

現状20だった利益が、50!!!

つまり、2.5倍です!!!



200万円なら500万円。

2,000万円なら5,000万円。

2億円なら5億円。

10%値上げできたら、10%利益が上がるなんてものではないのです。

売価Pは、利益に対する感度が最も高いのです。

つまり、大きく上がると言うことは、大きく下がるということです。

牛丼・・

ハンバーガー・・

値下げして販売した結果、どうなりましたでしょうか・・?

10%値下げしたら、10%販売数量を増やすだけでは、今までと同じ利益は確保できません。
10%値引きをしたら、10%販売数量を増やせば利益は同じになるか?!

これが、値決めこそ経営と言われる理由です。

如何でしょうか?

皆さまは、どのように値決めなさっていますか?

その値決めが、利益に大いなる影響を与えているはずです。

皆さまの会社の販売データを、よーくご覧下さいね。

今回もまた、ブログ筋トレ中の文章を最後まで読んで頂き、誠にありがとうございました。

今後とも、どうぞ宜しくお願いします。

ブログ筋トレVol.244

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1 個のコメント

  • 原価計算には2種類あると知ったときの衝撃・・ 〜税務署(税理士)用と経営(者)用〜 | NICEON 公式ブログ へ返信する コメントをキャンセル

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    ABOUTこの記事をかいた人

    四ケ所 秀樹(しかしょ・ひでき)
    NICE ON株式会社(ナイスオン) 代表取締役。

    「粗利最大化」と「粗利最速化」を信条に、1年後の利益幅を最大97.5倍にした他、直近では、300万円の利益だった企業の教育を担い、4年間で7,000万円の利益にまで引き上げた実績を持つ。

    MG開発者の(株)西研究所西順一郎氏、そして、(株)ソフトパワー研究所清水信博氏に師事し、企業の健康を司る【氣(社風)・血(お金)・水(業務フロー)】に関する社内研修を展開している。

    【これから100年を志す企業を、絶対に守り切る土台づくり】を使命とし、赤字スパイラルから黒字スパイラルへの思考のシフト、全体最適思考の経営を指導している。

    1974年佐賀生まれ。関西学院大学法学部卒。

    保有資格

    ■西研公認MGインストラクター
    ■SP研公認最上級TOCインストラクター(日本第1号資格取得者)
    ■STR認定コミュニケーションマスター(世界第1号資格取得者)
    ■TOC‐ICO国際認定 思考プロセスジョナ登録